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    • 小説とわたしと日常
    • 思いついたこと

本のにおいは何のにおい?

Posted by admin on 2018年1月31日

本屋さんのあの独特のにおいを表現するのは難しい、いつも考えるのですが、本・紙のにおい以外で表現する方法がなく自分の表現力や語彙の乏しさに不甲斐ない気持になります。友人に、○○のようにで比喩するとしたら何だと思うと聞くと「香ばしい海苔」のようだと自信満々に答えました。糊ならまだ分かりますがなんで海苔なのかと聞くと、物心ついた時から本屋=海苔のにおいだと思ってたから理由はないんだそうです。友人自身も追及する事ができない領域に染みついた印象であるという事です。
あの香りは紙から?インクから?「本 におい」でインターネット検索してみると、正体不明のあのにおいが多くの人の嗅覚に馴染み、様々な心情や記憶を呼び起こす誘発剤になっている事が分かります。本のにおい愛好家のために「印刷したての本の香りがする香水」たるものがヨーロッパにはあるという事を知って驚きを隠せません。欲しい!と思いつつ、常に自分からあのにおいが発せられているのは……どんな気分なんでしょうか。本屋にいった時に、嗅覚からふっと切り替わる空間が好きなので、有難さがなくなってしまうような気がしますが。友人からすれば、私がその香水をつけていたら「今日海苔くさくない?!」なんて驚かれてしまいそうですね。

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「飯屋の近くの本屋はやめとけ」というおばあちゃんの話

Posted by admin on 2018年1月17日

昔おばあちゃんが「風呂屋・飯屋・クリーニング屋の近くにある本屋は行くな」と言っていました、なぜって湿気で本が傷んでいるからなんだそうです、さらに言えばとくに飯屋はダメなんだそうです。商店街にそれらのお店が軒を連ね、元気に営業していた時代のお話です。今では換気設備が整い湯気や湿気が外部に漏れる事はないですし、商店街にある風呂屋さんは姿を消し、クリーニング屋だって店舗で洗濯・乾燥している事は珍しくなったものです。かつておばあちゃんが通っていた古本屋は定食屋の近くにあって、品揃えはとてもよく気に入った本はいくつもあったものの、定食屋から流れてくる煙や湯気などの影響を受けて、その店にある本の多くは異様に黄ばみ得体の知れないにおいが染みついていたそうです。しかし今のようにネットで本が買えたり、簡単に隣町まで移動して本屋を探し歩いたりできる時代ではありません。気に入った本があったらそこで買うしかないためどんなに黄ばんでいようが目を瞑っていたらしく、おばあちゃんの本棚の中で特に汚れが酷い本はそういった理由で購入されたものなのだと知ると感慨深いです。「古本屋の亭主から定食屋に何か言えばよかったのにね」と言うと、おばあちゃんは顔をしかめて「頭が上がんなかったんだと。あの本屋の親父ったら、定食屋で安く食わせてもらえるからっていっつもいい顔してたんだから」なるほど、文句を言ったら割引サービスを適用してもらえなくなる事を恐れていたとは。そのおかげでくっきりと汚れた本たち、いくつになってもおばあちゃんの記憶に刻まれ孫の私にまで語り継がれているなんて古本屋の亭主は想像もつかないでしょう。

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祖母の記憶と母の嬉しそうな表情

Posted by admin on 2018年1月5日

先日、祖母の本棚を眺めていたら、私が好きなジャンルの本がいくつかあり、また家の本棚にあるものと一緒の本もいくつかあって読書の趣味が似ているのかなと思いました。それを母に話したら「小さい時、おばあちゃんあなたによく本を読んでくれてたし、私より似てるってよく近所の人が言ってたからね」と話してくれました。思い返せば、祖母はよく絵本を読み聞かせしてくれました。絵本選びのセンスが母や私とは全く違うので「こんなお話聞いた事ない!」という感動を与えてくれるのは“おばあちゃんとの絵本”の時間だったような気がします。おばあちゃんッ子な私でしたが思い返せばよく近所の人から「おばあちゃんに似ているわね、目元なんかそっくり」と言われて嫌な気分になったものです。そこはお母さんに似ていると言われたものなのですよ、幼な心の乙女心としては。今となっては穏やかで知的なあの目元に似ていると言われるなんて喜ばしい限りですが。
母に、私の本棚と祖母の本棚が似ていると話すとクスクス笑い始めました。自分の親と子供が似ていたら嬉しいんだろうなと察します。「ほんとねぇ、本が好きでのんびーりしたところもよく似てるわね」そんな事言われたら私まで嬉しくてなってきます。

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トイレでサバイバル、本をトイレットペーパーの代わりに?!

Posted by admin on 2017年12月23日

先日、駅のトイレで遭遇したお恥ずかしい事件の話をさせて頂きます。突然のすさまじい排泄欲に駆られてトイレに駆け込んだのですが、ターミナル駅という事もあって大変混み合っていました。やっとの思いで入れてさっそく用を足し、トイレットペーパーを使おうとしたら、なんと紙がない……。これは大変な事になったと焦ります、ポケットティッシュなど持っておらず、私はこの狭い世界で一枚の紙すらもっていないのかと絶望に瀕しながら鞄を明あさっていると、紙があるではないですかそれもたくさん。本です、私は本を持っています「って!本で拭ける訳ないじゃーん!」ともう一人の自分が壮絶なツッコミをいれてくる一方で、いつぞや父が照れながら話していた事が思い出されました。「今日さぁ、拭こうと思ったらトイレットペーパーがなかったんだよ。もーまいってね、新聞もってたから、それで拭いちゃった」という父に家族中は大ヒンシュク、「新聞で拭くなんて最低」「じゃあどうすればよかったんだよ?父さん本当に困ったんだよ?」今なら分かります、あの時の父の必死の形相の意味が。しかし本となるとまた違った問題ですよね、さすがに本を破って済ますなんてできません。周囲からは忙しく流水音やドアを開閉する音が聞こえてきて、ずっとここに居座るのは極めて迷惑だと焦りが湧きたちます。本と睨めっこ、幸い文庫本なので柔かく、出版社の書籍宣伝の箇所なら問題ないかなと諦めかけていたその時。
「失礼致します。清掃はいりまーす」という福音が聞こえてきたではありませんか!ガサガサとこちらに近づいてくる救世主に向かってドアを叩き「すみませーん!ここ、トイレットペーパーくださぁい」と柄にもなく必死で叫んでいる自分がいました。ドアの上から投げ入れた神器を受け取り、心の底から有難がって使わせてもらいました。満ち足りた現代社会においても、紙一枚で人間は窮地に立てるものなんですね。

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読みたい本は、横目で盗まず自分で購入しよう

Posted by admin on 2017年12月11日

電車で隣の席に座った女性が鞄から取り出した本は、話題の小説の続編。最近発売されたばかりで、私も読みたいとは思っていたものの時間がとれずまだ購入すらしていません。女性は鞄を太ももの上に置き、その上に本を置いてスマートフォンをいじり始めました。ちらっと横目で、新刊の装丁や帯に書かれた宣伝文句を盗み見させてもらうと読みたい気持ちが助長されてきました。はやく本を開いてくれないかな、いやらしくもそんな事を密かに思って電車に揺られていました。しかし女性はスマートフォンの画面に夢中で一向に本を開こうとしません、それどころかスマートフォンを降ろしたと思ったら頭を下げてしまいました。こっくりと頭を下げて動かない女性、どうやら眠ろうとしているようです。心の中で「本を開いて」なんて祈りますが、所詮盗み見を企む私のせこい祈りなど通用する訳がなく女性はあっと言う間に眠りに就いてしまったのでしょうか、規則正しく深い呼吸が伝わってきます。顔を上げると向かいの席に座っている老人が件の本を読んでいるのが目に入って、あちらに座っていれば……なんて思いましたが、人の本を盗み見しようなんていけませんね。今日は帰り道に書店に寄ってみます。

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“影響を受ける”の感覚論

Posted by admin on 2017年11月26日

この本おもしろいなと思って、作家さんについて詳しく調べていると、私も好きな大正から昭和にかけて活躍した文豪の事を尊敬し、影響を受けたと言っている事が分かりました。“におい”が似通うとでもいいましょうか、なんとなく私が好きな雰囲気をその作家さんは醸しだしていて、それは大本である文豪が発しているものと同じ肌触りのものだと感じた要因はそこにあったのかと納得しました。初対面の人と会話をしていく中で、趣味や好きな食べ物などが同じだとグッと距離が近づいた気分になりますよね。それと同じように作家さんに親近感を湧く一方、自身のスタイルと文豪のそれをうまく掛け合わせて新しい価値を創造し、読み手の幅を広めて鑑賞の波紋を広めるテクニックを持っている事に私からささやかながら敬意を表したいです。“○○から影響を受けた”というフレーズは様々な場面でよく目にします。人間の脳は鎮痛剤よりも、鎮痛作用のあるアロマなどの香りの方が早く作用するのと同じように、憧れを抱いたり恋に落ちる時に駆け巡る感覚スピードは理論よりもずっと速い。影響を受けた際に人はきっと感覚で対象を捉え「なんて素敵な物語だろう」と繰り返し鑑賞する内に無意識にまで浸透していく。そうして表出され、系譜を引き継いだ作品は、目新しさの中に読み手と趣味が一致した際に「この感じ好きだな」を刺激する刺激が組み込まれているという事です。

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ちょっと変な本好きなあの子は今

Posted by admin on 2017年11月12日

子供の頃、近所で有名な本好き一家が引っ越してきました。空き家になった家屋に住んでいて、庭にはいつも扉が開いている大きな倉庫がありその中には大量の本が見えました。その家のお父さん・お母さんはいかにも本が好きそうな感じの真面目で聡明な顔立ちの人で、一人息子がいて、彼は私と同い年くらいでしたが眼鏡にザンギリ頭でキリッとした顔つきでなんとなく近寄りがたく思いました。公園や土手で一人本を読んでいる姿をよく見ましたし、地区のイベント事に参加している時はいつも本を片手に持っていました。なんの本を読んでいるのか気になって、聞いてみた事があるのですが「さ…かなとか、うみ」とボソボソっという返事に少しイラッとした思い出があります。泥まみれで遊んでいる私たちをどこか敬遠するような彼の冷めた目と、まだ小さな体に似合わない重厚な本のせいで、彼は明らかに地区の子供の群れから浮いていました。わんぱくで容赦ない子供の頃の私たちは「ヘンなやつ」とか「ガリ勉やろう」なんて言ってからかっていましたし、私も何も考えず「あの子ヘンだ」なんて思っていましたから、子供って残酷ですよね。その後突然一家は引っ越してしまったのです。私たちの中では、もしかしたら仲間はずれにしたからかななんて罪悪感を子供ながらに感じ、必死で忘れようとしてみんな不自然なほど彼の話を出さないでいました。でも彼の事なんて一か月も経てばみんなすっかり忘れて、忘れたまま私たちは大人になった訳です。
最近になって母から彼の話を聞いたところによると、彼は今海外在住のプロのサーファーで、大会に出場したりコーチ業に励んだりとサーフィンの世界で活躍しているそうです。青白い肌に暗い表情の、あの頃の姿からはサーフィンを乗り回している姿はまったく想像がつきません。母いわく、彼のお父さんは海洋研究家でお母さんも研究所の関係者だったんだとか。あの日のボソボソっと答えた彼が開いていた本に、魚が描かれていたのはそういう事だったんだと気づいても、時すでに遅し。かつてあの空き地にいた子供たちは、別々の道を歩む大人になったのです。

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興味・関心は原動力

Posted by admin on 2017年10月30日

楽しい事をしていると時間が過ぎるのはあっと言う間で、嫌々何かをしている時は何度時計を確認しても一向に針が進んでいない気がする不思議。自分がもともと知識や興味を持っている本はサクサク読み進める事ができますが、知識どころか興味もない本を読んでいる時の重苦しい瞼と脳みその動きの鈍さと言ったら。興味関心は人間の原動力であると言うのならば、何に対しても意欲をもって取り組む姿勢をもつ人はモーターの回転が軽快で活力のあるものなのでしょう。好きな本はすいすい読めて、読み終わってももう一回何度でも読みたくなるのに、課題で読みなさいと言われた興味の持ちようがない本は一行前の文章すら忘れてしまいそうになります。どんな分野・系統の本でも意欲的に読み進める事ができればいいのですが。日常生活において「気が向かないのにやらなければいけない事」が多く待ち構えているのですから、大好きな読書くらいは原動力モーターを自由に動かす事ができればと思います。そんな考えでいるせいか、本棚は好きな作家さん・分野の本が多く並んでいるわがままなつくりになっています。そう、今まさに私は気が向かない課題に取り組んでいる最中、原動力モーターが錆び付きカナ切り声を上げています。はやくあの本を読みたいと逃避してばかりです。

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雨よりの曇りの中での読書

Posted by admin on 2017年10月18日

少し曇りがちな日の下で本を開くと、紙の白さが光を帯びて際立ち、いつもの読んでいる本とは思えないほどの透明感を感じる事があります。晴の日もたしかに紙は白く映えるのですが、眩しく感じる事に目が慣れているので紙の眩さに気づく事は少なくて、目が光に慣れていない曇りの日こそそれを実感するチャンスだと思います。
晴れよりの曇りよりも、雨よりの曇りの方がいつ雨が降り出すがハラハラできますよね。草木に交じった微細な雨のにおいを逃さないように嗅覚を研ぎ澄ませたり、湿気が上昇していないか肌の水分量を察知しようと息をすませてみたり。大変便利になった現代社会の日常において、自然と共鳴する感覚を使う機会はめっきり減りましたが「降りだしそう……」という予感に対する感覚はいまだ健在という人は多いのではないでしょうか。いつ厚い雲から雨水が一滴垂れてくるかこないかの天気の元で、読書をするのが好きです。目も鼻も肌も、脳だっていつもより冴えていて読書の時間が一層深みをもつものになると思うのです。子供の頃は雲行きの怪しい天気の時にのんびりと公園のベンチでのんびりと読書する人を見て「変な人だなぁ、雨が降ったらどうするんだろ」と思っていました。今思えば、あの人たちは冴えわたる感覚の解放を楽しんでいたのかもしれません。

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古本屋と白猫と昼下がりと鳥肌

Posted by admin on 2017年10月5日

いつもは通らない道を歩いていると、商店街の一角に薬屋さんと空き家に挟まれた○○古書店と書いう看板を掲げたこじんまりとした古本屋さんを見つけました。一階は古本屋で二階は住宅スペースなのかでしょうか、二階のベランダからは布団が干されています。
入口の扉には「一緒に働いてくれる人募集中 猫と本が好きな人大歓迎 時給は要相談」と手書きで書かれた貼り紙があります。募集要項に猫好きとあるなんて面白いなと思い、店内を覗いてみると中はしっかり整頓されており、高い本棚にはぎっしり本が並べられていますが人の気配は全くありません。きりぼりしているのはどんな人だろうかと気になり、店に入って本を眺める事にしました。しかし十分ほど時間が経っても人が現れる気配は一向にありません、今日のところは帰ろうかと思った矢先、奥から物音が聞こえてきました。振り返ると、そこにいたのはもっさりと太った白い猫。大きな体のわりに歩く様はしなやかで尻尾をピンとたて、私の方など見向きもせずにレジのある台の上に飛び乗り毛づくろいを始めました。しんと静まり返った空間に舞う白い絨毛に惑わされているような、少し不思議な気持ちで手に取った本を読みます。それにしても誰も来ないのです、猫が出てきた入口からは相変わらず何の気配もなく店の前の道すら誰も通らない、この世界が私と彼だけになってしまったような気さえします。温かい日差しと穏やかな本屋、眠そうな猫、なんてのんびりとした景色だろうかと思うのですが、その時私は実は未知との遭遇にゾクゾクしていました。猫好き・本好きといえば私の事、振り返って白い背中に手を触れようと近づいた時、のれんをかき分けて人の好さそうなおじいさんが出てきました。「いいお天気ですねぇ」ゆっくりと椅子にこしかけながら話すおじいさんを見ていると、先ほどまで何故鳥肌が立っていたのかますます分からなくなる気がします。

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