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    • 思いついたこと

友人の痩せたいお腹

Posted by admin on 2015年3月13日

友人がある飲みの席で「人生で初めて回らない寿司を食べた時はとても感動した。こんなに美味しいものがあるなんて素晴らしい世界だと思った。日本に生まれてよかった。だから、これからも食には貪欲に生たいね」と、肥満気味の身体を揺り動かしながら豪快に笑ったので、私もつられて笑顔になりました。メタボリックの再検査の通知が来て自棄になっているのが明白だったからです。
大好きなお酒も煙草も控え、烏龍茶を呑みながら、野菜をもしゃもしゃ食べるその姿は哀切でもありました。隣で唐揚げを食べる人にジメッとした目を向けるのもなんだか可哀想になるぐらい不憫でした。
彼にどうしてか女の子が一生懸命にダイエットに取り組む内容の小説をプレゼントしたくなりました。もちろん、なっただけでそんな事はしませんが。ぜひとも読んでほしいとふっと思い立ったのです。若い女性にピッタリな作品ですが、40代後半の男性にもある意味共感を呼ぶのではないでしょうか。題名は辛辣ですが、内容はなかなか深いのです。ぷにぷにしたお腹を撫でて「明日から朝マラソンする? 手伝うよ」と言うと、ひくついた笑顔で「いいよ、俺、マラソンすると脇腹が痛くなるんだよ、こう、じんじんするんだ。もっと楽してなんとかなる方法を考えるよ」と答えました。

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出陣するにはまだ早かった

Posted by admin on 2015年2月25日

先日、海に行きました。波は穏やかで晴れ渡った空との稜線が光輝きとても美しかったです。季節外れだったので海水浴を楽しむ人はいなかったけど静かな海岸もなかなか良いものでした。シーズンでは無いのに海岸沿いにあるお店は営業をしていて、いろいろと物色をしていると、隅の方にホラ貝がちょこんと置いてありました。手に取って眺めていると、どうしても欲しくなり、なんの使い道も無いのはわかっているのですが、歴史好きの私です。開戦の前に「ぶおおお~」という、アレ。どうしてもやってみたくなり、思わず購入してしまいました。
どんな音が出るのか期待しながら家に帰りました。逸る気持ちを抑えて吹いてみると、空気の抜けるような間の抜けた音が。何度かチャレンジしても全く思うような音は出ず、これは練習が必要だなと苦笑しました。
戦の時にホラ貝を鳴らす人のテクニックたるや、到底私には及ばない事を知り、古の武士に憧憬の気持ちが湧きおこります。とても私には肺活量が足りないのです。ふと、気付いたのですが学生時代、私はリコーダーが苦手でした。
そういえば小泉八雲は、煙草掃除を女中に頼む時にこれを用い、音で呼ぶのを楽しみにしていたそうです。
彼の著作は「耳なし芳一」と「雪女」が有名ですが、その生涯も調べてみるとおもしろく、島根に旅行した際は旧宅と資料館にいそいそと立ち寄りました。海外から日本に魅力を感じて移住してきた彼。私は彼のように煙草も吸わないし女中もいないけど、毎日ぷうぷうと歌口に唇を当て、練習しています。

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歳を重ねて見えてくるもの

Posted by admin on 2015年2月10日

「風立ちぬ」は小学生の頃に読んでいたのですが、当時の私には難しすぎました。著者である堀辰雄が若くして病で亡くなった事ぐらいしか記憶に残っていませんでした。再読したのは最近で、ジブリの映画の影響で書店に並べられていたので、懐かしむ思いから手にとってみたのです。この作者の死因である「結核」と言えば、高杉晋作や沖田総司も罹患し若くして斃れましたが、最も患者数が多かったのは昭和26年と記憶しております。意外と最近の病なんですね。その頃と比べて現在は1000分の1に減っていて、薬も沢山あるようです。歴史小説を愛読している者にとって、どうしてもその病は昔のものであるような気がしてしまいますが、決して過去の病気ではないんですね。
さて、この「風立ちぬ」ですが、改めて読んでみると、なんて文体も景色も節子と言う女性も美しいのだろうかと感動を覚えました。あの頃、分からなかった内容が、胸に落ちてくるような感覚。ストンと嵌って、滲み出るような情緒を感じ、これだけの年月をかけなければ読めなかった本なのだな、と感じました。
ちなみに、題名は「風が吹いた」という意味らしく、「風と共に去りぬ」という映画がありますか、あれは「風と共に去ってしまった」という意味です。「ぬ」は完了の助動詞なのですね。

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奇妙なめぐり合わせについて

Posted by admin on 2015年1月24日

たまに、本当に滅多にないのですが、書店で運命的な一冊と巡り合う事があります。それは、不思議な出会いです。こちらに訴えかけてくるような、あの感じを何と言えばいいのか分かりません。形容しがたいのです。まるで、手招きされているような、目には見えない何者かが導いているようなそんな不思議な感覚です。そういう形で出会ったものは、身体の一部であるように、その後の私にとってなくてはならない存在となります。
思わぬところで助けてくれたり、役立ったり、落ち込んだ時に励ましてくれたり、そして、その著者とは不思議なことに共通点が何かしら見つかるのです。例えば、住んでいるところが同じであったり、好きなもの、熱心にやっていたスポーツ等の偶然の一致を見いだせるのです。
他人からすれば、たいしたことではないのかもしれませんが、本人にしてはとても大きな衝撃です。私に起こる奇跡はこのような小さい事です。奇跡、というか、宿命と言えば、この前「わが生涯」という本を手に入れました。20世紀を代表するアメリカのダンサー、モダンダンスの租と呼ばれたイザドラ・ダンカンの単行本です。彼女はヨーロッパ公演の一つとしてロシアに訪れた時、それを感じています。早朝4時にペテルブルグに到着した彼女は、血の日曜日事件の惨劇後の葬儀を目の当たりにします。まるでその光景はエドガー・アラン・ポーの小説のようだったと述べているのです。私は彼女のように衝撃的な宿命を感じた事はまだありませんが、悲劇よりも、楽しい場面に立ち会えたらなと考えています。

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過ぎ去り人々を棚の陰から眺める

Posted by admin on 2015年1月9日

我が子のように、というのとはちょっと違うのですが、成長を見守っていた子がいました。行きつけの書店定員のKさんです。彼女はおそらく高校生でしょう。蛍光灯の光に反射する黒い髪がとても綺麗で、若さあふれる女の子です。
仕事を始めたばかりの頃は場所を聞かれれば戸惑い、対応が悪いとスタッフの先輩に怒られ、少しおっちょこちょいなのか本をよく倒したりしていました。しかし、一年が経つころには、すっかり一人前になっていました。最初はブックカバーをするのもままならなかったのに、何時の間にかベテラン然としています。
「立派になって」と陰ながら微笑ましく思っていましたが、ある日からめっきり姿を見なくなりました。学業に専念するために辞めてしまったのかな。と、いろいろ妄想をしながらも、なんとなく物足りないような、ちょっとしたセンチメンタル的な気持ちを味わいました。しかし、バイトを一年間勤めあげるというのは立派なものです。本屋に勤めるのは大変なのです。覚える事は沢山あるし、力も使うのですから。どんな仕事でも言えますが、容易なものはありません。
そして暇な私は今日も新しく入ったアルバイトの子の成長を観察し、見守っています。全然何の関係もありませんが、ちょっとした道楽です。

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小説を語れる話し相手がほしい

Posted by admin on 2014年12月27日

ついついあらすじを喋るつもりが熱くなって、聞き手を引かせてしまう事が往々にしてあります。さわりだけのつもりが、ここに感動した!という強い主張が混じってきて、登場人物の葛藤を自分ながらに解釈して熱弁をふるい、最終的には泣きが入るのです。お酒の席では特にやってしまいます。
友人の間で私に「それどんな内容だったの?」と聞く事は禁句になっているそうです。そんな訳で、最近とても消化不良を起こしています。読書会なるものに参加しようとも思うのですが、いまいち勇気が出ませんし、不安もあります。自分が知らない、読んだことの無い小説を他者がたくさん読んで知っているという事実に直面すると平静ではいられないのです。無駄に高いプライドが邪魔をします。他にも、感想の相違で大喧嘩が勃発しないか、だとか、派閥があるのではないかというような事を考えては、参加する前から彼是といった事を引っ張り出して踏み切れない事って結構あるのです。
仕方がないので、取り敢えず母親に聞いてもらうことにしています。私の話はだいたい右耳から入って左耳から出ていくそうなので、適当に相槌を打ちつつ聞いてくれます。いつか、素晴らしいパートナーと出会い、思う存分、吐き出せる日を目指して生きていこうと思っています。

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時間に追われる読書人のためのアイテム

Posted by admin on 2014年12月13日

読書をすると、時間を忘れてしまいます。平日の読書は特にもどかしいです。朝読むと、夢中になりすぎて会社に遅刻しそうになり、昼の休憩が終わって周囲は皆仕事に取り組んでいるのに、一人だけ気付かず本を読んでいたり、夜読めば止まらなくなり夜更かししてしまう。一体どうすればいいのでしょう!そこで提案します。アラームをセットする事を。そうすれば、時間を気にせずに本が楽しめます。注意しなくてはならない事は、アラームの電池の残量とアラームの音に気付くようにしなければならない事です。夢中になりすぎると、音が耳に入らない事がありますから、絶対に気がつく音楽や効果音のものにしましょう。では絶対に気がつく音とはなんなのかですが、そんなモノは経験上ありません。私が実際体験した経験から、絶対に気がつくアラームが二つあるので、そちらをご紹介します。まずは「クロッキー」というアラーム。こちらは、部屋を走り回ります。地べたで本を読んでいると身体に当たりますので、気付く可能性がぐっとあがります。もうひとつが、ウォーター・スプレー・アラームです。こちらは水を飛ばしてくれるので、手元の本が濡れて気付かせてくれます。涙と勘違いしないように気を付けなければいけませんが、大体気がつきます。時間に追われる読書人には強力な目覚し時計が効果的です。

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一風変わった小説を読んでみる

Posted by admin on 2014年11月27日

この世には奇妙な本というのが存在します。まずは、三大奇書である『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』ドグラ・マグラは有名ですから、読んだ事がある人も多いのではないでしょうか?最近ですと、翻訳本ではバリー・ユアグローやニコルソン・ベイカー作の本は「変だなァ」と思いました。日本人作家でも翻訳家の岸本佐知子さんのエッセイはとても奇妙でした。この小説独特の奇妙な世界観というのは、文章でしか味わえない感覚だと思います。映像にすると、この奇妙感が少し薄れてしまうように思えるのです。思い返せば、記憶に強く残る小説というのは後味があまりよくないものが多い気がします。大団円で終わった物語は面白いですし、後味も良く、満足できるものなのですが、そこで物語が上手く終わってしまっているために、思い返しても印象が薄いのです。それに対して、なんだか割り切れない気持ちで終わった小説というのは、あとあと、「あれはもしかして、こういうことか」といった想像が楽しめるのです。後にひく小説というのもまた味がありいいものです。明るく楽しい物語もいいですが、たまにはちょっとダークなものや奇妙な小説に触れてみてはいかがでしょうか?

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本屋とカフェの絶妙な組み合わせ

Posted by admin on 2014年11月23日

最近、本屋の敷地内にカフェがあって、そのカフェで未購入の本を読める。というサービスのある本屋さんが増えてきています。私はこのサービスを心の底から奨励しているのです。実に素晴らしいシステムではないでしょうか。考案した人を褒め称えたいとちょっと偉そうですが思っています。私の身近の(もちろん私も含めて)本好きは大体最初の3ページを読んで購入するかしないかを決めます。好きな作家さんの新刊が出たら問答無用で購入しますが、未開拓の作家さんの本はまず、表紙、それから題名、そして裏のあらすじを読みます。この時点で面白そうだな、と心を動かされればパラパラと3ページぐらい立ち読みをします。ですが、この3ページがけっこう曲者で、狭い本屋さんだと他のお客さんの邪魔になりますし、鞄が重いと肩が凝るんです。そしてなにより落ち着かないですね。だからこそ、座って読めるこの本屋敷地内カフェという空間はとても素晴らしいです。
まず、カフェで飲み物を注文します。そして、吟味中の本を手に、座り心地の良い椅子に座ります。程好い音楽が流れていて、しかも、コーヒーや紅茶が楽しめるのです。未購入の本をパラパラと読み、よし、この世界を家に持ち帰ろう。と決めて、本屋のレジに持っていく。オシャレで洗練された流れではないでしょうか。
また、本を読まずとも、カフェで飲み物を飲みながら沢山の本棚を眺めるのも乙なものですね。本好きは本を眺める事が本能的に好きだと私は考えています。美しい配列、色とりどりの表紙、まだ見ぬ無限の世界を前にして溜息を吐いてしまいます。私は、死ぬまでにあと何冊の本が読めるのだろう。どれぐらいの素晴らしい作家に、素晴らしい内容の本に出会えるのだろうか。と物思いに耽る事があります。本好きはセンチメンタルで情緒的です。きっと、頷く人も多いはずです。
本を読まない人も、ちょっとした何らかの事情でこのカフェに立ち寄るとします。周囲はみんな本を読んでいて、なんとなく、私も読もうかな。と思い立ち、選んできて読んでみます。ページを開いて、眼で文字を辿り「あ、面白い」と感じます。カフェというオシャレ空間で、本を読んでいる私。という状況もなんともいいものです。相乗効果で、本が好きになる。とても良い循環です。
ぜひ、スペースに余裕のある本屋さんにはこのちょい読みができるカフェスペースを併設してもらいたいところです。本の未来のためにもなると思います。本好きの願いです。

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本の不思議

Posted by admin on 2014年11月13日

本を読むと不思議な出来事が起こります。例えば舞台が長野県の本を読んだ時のことです。長野の信州松本の病院を舞台にした本を読み、ああ、行きたいなぁ、と強く思います。猛烈に長野の松本に行きたくなります。すると、数ヶ月後、なんの偶然か突然、松本に旅行に行けたりするんです。自分で企画したわけじゃありません。どこからともなくお誘いが舞い込んでくるのです。この現象は度々起こります。幕末の長州藩(山口県)の小説を読むとします。主人公は、現萩市に住む有名な人物です。主人公の活躍した地に触れてみたい、どうしても行きたい。と強く思います。するとやっぱり、数ヶ月後、萩に行けることになるのです。不思議です。確かに、読んでその舞台に行きたい欲求ががぐんぐん高まって、ネットで調べたり、本屋で旅行誌を買ったり、周囲に言いまくったりします。しかし、「行こう」と声をかけてくれるのは、一度もその話をしたことがない友達だったりするのです。
周りの本好きにも聞いてみました。すると、物語に惹かれ、どうしてもその舞台に行きたくなると、やっぱり私と同様に何故かはわかりませんが、お誘いが舞い込む事があるようです。あると答えた人の、なんて多いことか!これは何なのでしょう。心理学か何かでもしかしたら現象名があるのかもしれません。だけど、私はこれを敢えて「本の力」だと思うことにしています。
いざ旅行なりで現地に赴き、舞台に立ってみます。そこはもちろん初めて来た地で、新鮮です。しかし、物語で一度味わっている地でもあるのです。新鮮の他にちょっと懐かしいような気もします。好きな登場人物が歩いたと思われる道に立ったときのあのじんわりする感覚は「本の不思議」を思い起こさせます。
本には不思議な力があります。私は今日もそれを強く感じているのです。

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