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傷だらけの本と大人になりたかった子供の私たち

Posted by admin on 2019年9月2日

古い思い出の品を収納している箱を整理していたら「○○ちゃんの大切な本、破いちゃってごめんなさい」と書かれた手紙と、その下に一冊の児童書を見つけました。この児童書は私が小学四年生くらいの頃に親に買ってもらったもので、かつての私が持っていた本の中では一番厚みがあり、初めて私が手にしたスピンのついた重厚な表紙の本でありました。この本は他の本と違うんだ、大人の本なんだ……と、当初の私はこれを手にしただけで自分が特別な何者かになったような気持になってたもので、読まずに机に飾っておいて時間があればそれを見つめてうっとりしていました。そんな時に友達が私の家に遊びに来て、机に飾られたこの本を見つけました。「こんな難しそうな本読むのー!?」「すごーい大人みたーい!私もほしーい!」10歳くらいの女の子にとって「大人みたい」なんて恰好の褒め言葉、私は得意気で仕方ありませんでした。しばらくしてその子が本を読みたいというので、いいよと手渡し二人で本を片手に持って“お姉さんっぽいポーズ”をとってキャーキャー言いながら遊んでいました。すると友達が本を開き、アニメなどでよくある片手でページをパパパッとめくるシーンの真似をし始めたので、咄嗟に私は「破れちゃうからやめて!」と、柄にもなくその子というか本を奪い返そうと飛び掛かったのです。もうその後はみなさんのご想像の通り、いきなり私が本を引っ張ったものだからページの端がぐしゃっと破れ、友達も私も唖然。“本が破れてしまった”という事実が悲しくて涙が込み上げてきましたが、友達は自責の念にかられていたのか「ごめん!ごめん!」と涙を流し、まるで二人で手を繋いで悲劇の溝に転げ落ちたような有様ですね。しかし今思えば友達には悪い事をしました、まだまだ子供ですから感情を抑える事も理由を説明する事もできず、ただ泣き叫び、いかにも友達のせいだと言わんばかりの態度をとってしまったのですから。
泣き声を聞きつけた母が部屋に入ってきて、その場はなんとか収まり、友達も私もお互い謝り合って二人で破れたページにセロハンテープをつけて仲直りしました。その次の日にもらった手紙、封筒の中には星形のビーズが入っていました。
傷痕は今でも確かに残っています、そこを開くと黄ばんだ黄色いセロハンテープがパリパリと音をたてました。よく見てみると、その傷以外にも細かい汚れや折り目が至るところにあります。あの時は丁重に扱っていたつもりでしたが、エネルギーに満ち溢れたあの頃の日常の中に、この本がいた印はしっかりと遺っています。今となっては間違って本に傷をつける事はなくなりましたが傷だらけの本というのも良いものです。

Filed under: 小説とわたしと日常

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