雑誌の細部を観察する
Posted by admin on 2019年11月29日変った趣味だと言われそうですが、ファッション雑誌の細かい箇所を読み込み、前号と比較して観察するのが好きです。例えば、発行人一覧は必ず読みます、前号とメンバーが変わっていたら「異動があったのかな、それとも担当者が長期休暇で……」など色々と察してみたり。あとはカメラマンやメイクさんの名前も必ずチェックしていて、落ち着いた雰囲気の特集にはこのメンバーで、女子力高い系はこっちのメンバーかというように複数号にわたって観察していくと雑誌の作成過程における人々の動きが読み取れる気がするのです。もちろん雑誌の趣旨である、洋服やメイク道具などの情報を得る事だって欠かさずしているつもりではありますが、それらはどこか流し読みで、本腰をいれてチェックするのは細かい部分になってしまうものです。文体とライター名をチェックするのも好きです。エッセイなどの文章で魅せるものにはしっかりとライター名のサインがありますが、それは雑誌中の文章のほんの一部にすぎず、ほとんどのそれは無記名あるいはコーナーの扉ページに小さくライター名が記載されているにすぎません。そこを追っていくと、「この人こっちでもあっちでも書いてる!それにコーナーによって文体も微妙に変えていてすごいなぁ」なんて発見もできるので、雑誌作成現場の裏側を垣間見る事ができた気になります。
だから同じ雑誌を愛読している友人に「○○の特集で出てたバルに行ってみようよ、あの写真のカチャトーラ美味しそうだったよね」と言われた時は、料理の写真より「薄暗い店内でキャンドルの灯りに照らし出されたカチャトーラの、照りつけるトマトの赤い肌。カチャトーラだからってカチャカチャ音をたててながら食べてはいけません」という大好きな一文が浮かんでくるのでした。