PC入力時代の産物
Posted by admin on 2016年8月11日学生時代の友人から手書きの手紙をもらいました。いつもはSNS上でデジタルなやりとりをしているので、友人のアナログ手書き文章を見た時は、こんな字を書く人だったけと可笑しささえ感じました。SNSでは絵文字や顔文字など感情を表す記号を簡単に使う事ができますが、自身のペンをもってそれらを描く(又は文章で書き表す)となると手こずってしまうものです。デジタルな文書作成が普及していなかった時代は全ての書物を手書きで書き留めていた訳で、作家さんなんてあの文量の文字を全て直筆していたのですから頭が上がりません。
以前文豪の直筆原稿を目にする機会があったのですが、淡々と文字を綴っている原稿もあれば、まるで印象派の絵画の様に文字か何か分からない線がうねり狂う原稿もあったり、文章を書くと言う事は大変なんだな…と改めて痛感させられました。デジタル文書作成におてはどんなに自身の感情が荒れていても表出される文字は常に均一に整っていますから、それは味気ないとも便利だとも言えます。私は、デジタル入力は荒れ狂っている感情を是正する安定装置だと捉える事にしていますが。
友人からの手紙を手書きで返そうと思ったのですが、デジタル文書作成慣れしている私には難儀な事が多いものでした。バックスペースが使えない事や漢字変換がない事に躓き、なかなか書き進められません。こうなったら最終手段と言う事でPCを開き、友人への手紙をPC上で作成してそれを書き写す事にしたんです。そうしたら一文にだって何十分もかかり何枚も紙を無駄にしていた私が、いつも通りにすんなりと手紙を書き上げる事ができました。なんだか小癪な手段に思えますが、今の私にとってはこれがベストな文章作成手段です。