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お泊りしているのは誰だ!

Posted by admin on 2017年8月7日

友人の家に遊びに行って、話をしたりお菓子を食べたりして寛いでいました。彼女の部屋は六階にあって、さらにマンション自体が高い位置に建設されているため、一帯の景色が窓からよく見えます。話しが小休止したので、街中を一望できる窓の外をぼんやりと眺めていると「ねぇ、おもしろい話してあげようか」と友人が笑います。「私、実は三日前くらいから、泊めてるの……家に」と含み笑い、なんだか深い意味がありげな様子です。何を泊めてるのかどこにいるのか、聞いても教えてくれません。「さぁあ?」と言うだけできっと友人は私の事をからかっていると察し、私もそのおふざけに便乗する事にしました。
泊めているものの特徴は?と聞くと「物知りで、落ち着いていて静かで、青が似合う、超タイプな感じ」という回答。犬や猫か、あるいはセロリの葉っぱを切って水に浸している類の事かと思ったら、どうやらそんな簡単なお話ではないようです。何も言わず紅茶をすする友人、おふざけを忘れて「それって……?!」と真顔で聞き返してしまいました。友人は口に手をあてて、コクコクっと頷き「図書館で出会ったの」と言うのでこれはただ事ではありません。図書館で出会った、物知りで落ち着いて静かで青の似合う男性が泊まっているのだと思って、私はなんてお邪魔者だろうと、混乱する頭でひねり出した結論によって早く友人宅から退散しなくてはと焦るあせる。「じゃ、じゃあ、その私はこれで」バタバタと帰る準備をしていると、友人がもう我慢できないといった様子で大笑いし隣の部屋に小走りで向かいました。友人と図書館で出会った男性が来る……!心臓がはち切れる思いでいると、部屋から出てきた友人の手には青い表紙の本が。「ごめんね、変な言い方して。泊めてるっていうか、借りてきたの、この青い本」茶目っ気たっぷりにごめんと言う友人。肩の力がしわしわしわ~っと音をたてて抜けていくような心地に襲われ、もうなにがなんだか、とりあえず笑うしかありません。
「窓の外をぼんやり見ていて、なんだかつまらなそうに見えたから、楽しませてあげようと思ったんだ」と、自由奔放で人懐っこい友人らしいイタズラです。それにしても、本を借りつという言い方より、図書館から来た本を泊めていると咄嗟に思いつく友人のセンスには頭が上がりません。

Filed under: 小説とわたしと日常

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