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図書館で子供が泣いていた理由

Posted by admin on 2018年3月27日

図書館の絵本コーナーの近くの椅子に腰かけて本を読んでいたら、突然子供が泣き始めました、静かな館内に響き渡る阿鼻叫喚に母親はたじたじです。女の子はニ・三歳でしょうか、絵本を持った手をだらりと下げて真っ赤な顔で大泣きしています。司書さんが「どうしたのかなぁ?」とまるで保育士さんのような優しい調子で声をかけると鳴き声はピタリと止みました。突然の司書さんの出現にビックリしたようで、目を丸くして肩で息をしています。「これ、ちがう!」下唇を噛みしめて司書さんに持っている絵本を突き出すと、すかさず母親が「このキャラクターがテレビアニメでやってるんですけど、この本と顔が違うって怒ってるんです。すみません……」なるほど、絵本に描かれているのは私が子供の頃から絶大な人気を誇っていたこの国を代表するキャラクター。突き出された本はそれの原作のもので、渋い色味に時代を感じるタッチで古めかしく、ストーリーもシュールでブラックジョークが含まれているものだってありますから、嫌だと言う理由も分かります。女の子からすればアニメのタッチで描かれた彼が大好きなのであって、いきなりこれが本物なんだよと言って、似ているけれど全然違う彼の姿を見せられたらショックを受けるはずですよね。しかし母親だって良かれと思って本を読んであげたのですから、子供心は難しいものです。それを聞いた司書さんは笑って、頭をぽんぽんと撫でて「よく気づいたわねぇ!偉いわー、ね!○○ちゃんが好きなのと違くて嫌だよねぇ、あ、こっちにかわいいのがあるわよ」と言って、アニメタッチの絵本を持ってきてあげました。「ありがと!」と元気いっぱいにお礼を言い、母親も一安心といった表情です。固唾をのんで見守る事しかできませんでしたが、二人が笑顔になってよかったなと思います。

Filed under: 小説とわたしと日常

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