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カバーと中身が違うなんてとんだ辱め

Posted by admin on 2016年6月12日

わざわざ少し離れた純喫茶に来ました、いつも行くカフェとは違う重厚な空間を求めて。薄暗い照明に妖しく照らされたネイビーのベロア素材のソファ、低いガラスのテーブルに氷山の様なガラスの灰皿が鎮座しています。一見すると、老舗の~とか知る人ぞ知る~と言う雰囲気なのですが、ちょび髭の店主は気さくな店主が迎えてくれる素敵な店です。この独特の雰囲気で読みたいミステリー小説があるのです、だから何時もより長い距離を歩いてカフェまで来ました。
熱めのアッサムティを頼みます。一息ついて、本を開きさてと一文を読み始めると大きな違和感を感じ、それが確信に変わった瞬間、光の速さで本を閉じました。予想もしない事態に柄にもなく赤面が抑えられませんでした。驚きのあまりモノクロに反転する目をこすってカバーを確認、えぇ、カバーは持ち出した時と変わらないミステリーですけれど。なんと、中身は、センセーショナルな性愛小説なのです。何度確認してもやはりミステリーではない、「っ」から始まる吐息めいたセリフやら嫌でも目につく隠語が、ぱらぱらとめくっただけでも目について困ります。どうしようもなく、恥ずかしくなってきてしまいました。ソファに深く座り、肩をすぼめてこっそりと本の中身を確認して赤面していた私は、さながら中学生男子。せっかくこの雰囲気の中でお気に入り作家のミステリーを店熟読しようと思ったのに。全く誰が本の中身を差し替えたんだよって、それは私なのです。性愛小説をいつも行く女の子だらけのお洒落なカフェで公然と読む勇気がなく、表紙を差し替えて読んでいたのです。その時に差し替えたまま、戻さずにいて今このザマであります。
読書は諦めようと肩を落としていると、店主がキルト生地のティーコージーを被せたティポッドをテーブルに置きました。「その本いいですよねぇ」と落ち着いた声で言うのです。
「その本ってどの本ですか?」なんて頓珍漢な事を聞き返しそうになりましたが、そこは焦らず意味ありげに微笑んで軽く会釈しました。むしろこの大人の空間だからこそ、堂々と読むべきではないか?挑戦的な事を言ってくるドジっ子な自分と赤面する中学生男子な自分、どうしたらいいのか分からず漂う茶葉の香りに酩酊する自分を内包して薄暗い照明に飲まれた午後でした。

Filed under: 小説とわたしと日常

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