夜の読書について
Posted by admin on 2025年12月26日夜の読書には、昼間とはまったく違う良さがあると思っています。
一日の終わり、やるべきことをひと通り終えて、部屋の明かりを少し落とした静かな時間。そんな空気の中で本を開くと、自然と気持ちが内側に向いていくのを感じます。外の音も減り、誰にも急かされない夜だからこそ、物語や文章にゆっくりと浸れるのだと思います。
夜は、感情が少しだけ素直になる時間でもあります。
昼間は理性で抑えていた気持ちが、夜になるとふっと表に出てきます。
そんな状態で読む本は、言葉がいつも以上に心に染み込みます。登場人物の小さな迷いや喜びに共感したり、何気ない一文に涙が出そうになったりすることもあります。
夜の読書は、心をやさしくほどいてくれる時間です。
また、夜の読書は自分を労わる行為のようにも感じます。
スマートフォンを置いて、温かい飲み物を用意して、本のページをめくる。その静かな動作ひとつひとつが、「今日もよく頑張ったね」と自分に声をかけているようです。
この「何もしない時間」を意識的につくることは、とても大切だと思っています。
眠る前に読む本は、内容も自然と選ぶようになります。刺激の強いものより、言葉がやさしいものや、余韻が残る物語に手が伸びます。
ページを閉じたあと、その世界を少しだけ胸に残したまま眠りにつくと、心が穏やかになります。夜の静けさと読書の相性は、本当に良いものです。
夜の読書は、誰かに見せるための時間ではありません。自分だけのために使う、静かで大切なひとときです。明日に備えるためにも、こうした夜の読書の時間を、これからも大切にしていきたいと思っています。